【映画レビュー】ラッカは静かに虐殺されている

今年断トツNo.1作品。 ほかの映画と一緒に比べてええんかわからんけど。

 

作品紹介

あらすじ

 シリア内戦にてISの首都とされたラッカ。ISの情報・メディア統制によりラッカの実情は国際社会に隠されようとしていた。これに反発した一般市民ジャーナリストたちは『ラッカは静かに虐殺されている(Raqqa is Being Slaughtered Silently.)』を結成し、国内外から命がけで故郷の実情をインターネットで発信し始める。RBSSメンバーの命をかけたメディア戦争を記録したドキュメンタリー作品。

感想

95点

映画と言っていいのかわからんが、現代に生きてる人全員必見。

ジャーナリスト達の覚悟と、報道を見たあとのやるせなさ

シリアがやばいというニュースだけはなんとなく知っていたが、何よりいまも起きている戦争・恐怖統治の実態がショッキングだった。 最近仕事でも「実態を具体的に知ってから知った気になれ…」と思ったがまさにそれ。

ISが兵士を募集するために公開処刑の様子や『神は偉大なり』と叫びながらぬいぐるみの首を切る少女の動画なんかを編集して公開するわけだが、全て今リアルタイムで起こっていることが衝撃的だし、一方でこれが戦争なんだ、と0.5%くらいわかった気になった。

そんな中で報道活動を続けるRBSSメンバーたちはめちゃくちゃかっこよくて敬意しか無いのだが、彼らは戦う覚悟が全く違う。

彼らはきっぱりと言う。

自分たちの父親と長兄を殺されようが、数名の仲間が殺されようが、我々がISに屈することは無い。

さらに国外亡命後もISがRBSSメンバーの暗殺計画を企てる中、主要なメンバーはより国際社会に訴えるべく公式に顔を出して活動を広げていく。結果2015年の報道自由賞を受賞するが、ISはメンバーの居場所を突き止め暗殺命令を下す。インターネットでその知らせをみたメンバーの腕と足が震えだすシーンも忘れることができない。

RBSSのメンバー自信も語るのだが、報道して実情を伝えることはできるが、ISを倒しても状況は正せない。(現に数百人のISメンバーを殺害するための空爆で数千人の市民が死んでいる。) 周りが状況を知った上でどうすれば問題を解決できるのか、もどかしさ・やるせなさが残った。   とにかく私みたいに戦争の実態を知らないひとは全員見るべき。

監督 マシュー・ハイネマン

デビュー作もメキシコの麻薬カルテルと民間自警団の戦いの実情を(これまた)命がけで撮影したドキュメンタリー。 こちらも骨太な内容で面白かったのでおすすめ。

Amazon Studio

Amazon Studioが制作した映画を初めて見たと思ったが全然そんなことなかった。

  • パターソン
  • ネオンデーモン
  • お嬢さん
  • セールスマン

2015年以降ガンガン制作してメジャーな賞も取ってるのね。これからも楽しみね。